帝京大学ラグビー9連覇挑戦に学ぶ、勝ち続ける組織の理由


2018年1月2日のラグビー大学選手権準決勝で、帝京大学は決勝進出を決めて「9連覇」の挑戦権を手にしました。「大学生は4年で卒業する」という制約条件がある中、「なぜ9年もの長い間勝ち続けられるのか?」専門的な分析はスポーツ雑誌がしていますので、今日は「勝ち続ける組織の理由」にフォーカスをあてました。

監督

組織が結果を出し続けるためには、優秀な指導者の存在は欠かせません。指導者次第で組織は、いかようにも変わります。帝京大学ラグビー部が出している結果から推察するに、岩出監督は以下の多くを兼ね備えた方なのだろうと思います。

選手を納得させる人柄と雰囲気を持っている

選手も感情を持った一人の人間です。いかに監督の指示が理にかなっていても、納得しなければ監督の求める水準のパフォーマンスは出しません。

そんな時に役立つのが「存在感・人柄」「納得するまで話を聞いてくれる・話してくれる」「実績」といった、非科学的な要素です。

心技体といいますが、選手の「心」の面をこれらの非科学的要素が強力にサポートしてくれるのです。

私は以前、ある東京のチームで仕事をしたことがあるのですが、そこでチームを率いていたマネージャーは、まさに「話をじっくり聞いてくれる」を体現していた方で、部下が言葉を飲み込むことがありませんでした。

加えて、圧倒的な会計知識を持っていたので、誰もが納得してその上司の指示・考えに従っていました。

正しい方向を向いているかを常に観察する

「木を見て森を見ず」という諺があります。物事に集中しすぎると過度に細かいところへ意識が向きがちになり、全体が見えなくなるという意味です。

試合・練習に関わらず、選手は目の前のボール・目の前の敵に向けて全力を出すことに集中するので、やもすれば、チーム全体がどのように動いているか、ゲームの流れはどうなっているのかから意識が離れがちになるのです。

そんな時「正しい方向を向いているか?」を観察し続けるのが、指導者の役目です。

選手がいいパフォーマンスを出す環境を理解する

プレッシャーがかかる場面で高いパフォーマンスを出す選手もいれば、安全な場面だと逆に力が出せない選手もいるでしょう。

指導者は、日頃の選手の振る舞いや試合でのプレーなどから、そういった「選手の特徴」を知っておく必要があります。

人間は機械ではないので、自分の置かれた状況次第でパフォーマンスの水準が上下します。指導者は、試合の状況変化に応じて、高いパフォーマンスを出す選手を投入・交代させていくのです。

その選択は、必ずしもベストパフォーマンス時の水準の高さとは一致しないこともあります。

油断の徹底排除

結果が出ていると、どうしても人間には慢心が生じてしまいます。不思議なもので、慢心はチーム・組織のメンバーに伝染していきます。

慢心は、言動やちょっとした行動から滲み出てくるものなので、そこを指導者は見逃さずに、徹底して窘めます。

見つけるのは早ければ早いほど、チームに良い影響を及ぼします。

チーム

補欠

レギュラーのレベルが高いことは試合に勝つために当然求められる要素ですが、「レベルの高さ」を維持するには補欠の充実も欠かせない要素です。

補欠のレベルが高いと、レギュラーの選手に「油断すればレギュラーの地位を剥奪される」という恐怖心が生じます。

人間は自分の身に危険を感じたら、それを守ろうとする本能があります。ラグビーに例えると、レギュラーを奪われてなるものかと、全力で守ろうとするのです。これが選手個人の高いパフォーマンスにつながります。

つまり、この恐怖心こそが、レギュラーの高いパフォーマンスを出させ続ける理由になります。

競争

たとえ、圧倒的な実力を持つレギュラー選手がいたとしても、敢えてその選手に競争相手をつけ、レギュラー選手を競争の中に置き続けます。つまり、「選手を安心させない」環境を作るのです。

レギュラー選手を疑っているわけではなく、競争を強いることで、結果的に長くベストパフォーマンスを発揮するようになります。

選手以外のスタッフの充実

選手が高いパフォーマンスを出し続けるには、常に彼らの心技体が充実している必要があります。

選手のコンディション維持は、何も選手だけで成し遂げられるものではなく、例えば、トレーニング担当コーチや、ストレッチの専門家、食事・栄養の造形が深い人、場合によってはカウンセラーなどが心体の面をサポートします。

また、技術・戦術やトレーニングの面で優れた、コーチや卒業生の存在も欠かせません。

選手のパフォーマンスの裏には、こういった幾重ものサポートの存在があるのです。

先を見越したスカウティング

チームが強くでもそれは「今、強い」だけです。選手のパフォーマンスも年によって変動する上に、学生は4年で卒業していきます。

「強くあり続ける」ためには、1年先、3年先以降を見据えて選手を発掘する活動をしておかなければいけません。ラグビーには15のポジションがあり、強豪校であればそれぞれのポジションに何人もの補欠選手がいます。

彼らが、今後どのようになっていくのか、数年後はどのポジションが手薄になるのかを念頭に置きながら、高校生のスカウティングを進めます。

このように、今の充実だけでなく、将来を見据えた活動も、「勝ち続ける」必須条件です。

勝つ経験

スポーツ競技は、勝つことでチームや組織がまとまっていきます。チームや組織がまとまることが勝ちにつながるという考え方もありますが、勝たないとどんな名言も絵に描いた餅になってしまいますし、共感・一体感も生まれません。

鶏と卵理論になりますが、「勝つ経験」も選手の成長に不可欠な要素です。

まとめ

スポーツ観戦では、目の前の選手しか視界に入りませんが、試合で展開されているパフォーマンスは、長期間にわたる監督やスタッフをはじめとした何人もの知恵・努力の結晶の成果です。

そんな視点を持ってスポーツを観戦すると、違った感動もあるでしょうし、自分のビジネスの新しいアイデアを生み出すきっかけにもなります。

ひとり起業家に欠かせない税金やブログ集客についての情報を、日々綴っていきます。


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする