海外の資産・国外財産の相続税・贈与税の納税義務・調書はどうなる? 海外移住・住んでいる場合に申告漏れは?


こんにちは、内田正剛@うちだ会計事務所です。財産があると、相続税・贈与税を減らそうと考えるのは自然ですが、海外の資産(国外財産)に相続税・贈与税は課税されないのでしょうか? 海外に移住・住んでいたら納税義務はないのでしょうか? 国外財産調書はどんな感じ?今日は、そんな疑問にお答えします。

海外に移住(住んでいる)したら納税義務はどうなる?

海外の相続税

海外には相続税がかからない国もあるので、移住を考える方もいるでしょう。

ただ、それを認めては日本の税務署が相続税を取れなくなるので、「財産をもらう人もあげる人も、5年間以上日本国外で住んでいないといけない」というルールがありました。

このルールが平成29年の税制改正で「10年」になりました。

しかも、10年間のうちに日本で住んでいることがあれば、アウトです。

これに加えて、課税対象は海外にある資産(国外財産)も対象になっている点に注意が必要です。

お金をあげる側からすると「10年間日本に住まなければいい」ことは可能かもしれませんが、お金をもらう側はおそらく現役世代なので、厳しいルール改正です。

海外送金の相続税・贈与税はどうなる?

海外送金

相続税や贈与税などが課税されない国・エリアを「タックスヘイブン」といいますが、日本で相続税・贈与税を払いたくない富裕層が、タックスヘイブンへ送金を目論むのは自然な発想です。

ただ、それを黙って見ていたのでは、税務署的にも困ってしまうので、100万円以上の送金を行う場合、金融機関は税務署へ「国外送金等調書」という資料を提出しないといけません。

この書類には、主に以下の情報を記載します。

  • 送金する金額
  • なぜ送金するのか
  • 氏名
  • 住所

つまり税務署は、100万円以上の海外送金を全て把握しているので、後日相続税や贈与税を脱税したことがバレると、しっかりお仕置きが待っています。

国外財産の相続税・贈与税はどうなる?(国外財産調書)

贈与の契約

国外財産調書制度

日本に住んでいる人のうち、年度末(12月31日)時点で海外に50百万円超の財産を持っている人は、翌年3月15日までに以下の情報が書かれた資料の提出が求められます。

  • 財産の種類
  • 財産の数量
  • 財産の価格 など

この資料の名前は、「国外財産調書」といいます。

国外財産調書を提出しないとどうなる?

空き家譲渡特例

提出していれば、たとえ申告漏れがあっても、過少申告加算税や無申告加算税の本来あるべき金額から「所得税・相続税の5%相当額」をマイナスしてもらえます。

逆に提出していなければ、「所得税・相続税の5%相当額」が過少申告加算税や無申告加算税にプラスされるだけでなく、懲役/罰金のお仕置きも待っています。

評価はどうなる?

日本で土地を相続したら、「路線価」という指標を使います。

「路線価」はもちろん日本の土地を前提としたものなので、海外の土地についてまで路線価はつけられてません。

なので税金のルールブックには、要約すると以下のように書かれています。

  1. 海外の資産も、原則的には日本と同じ方法を使って評価が原則
  2. 路線価がないなど、評価が難しかったら、売買の事例や専門家に評価してもらう

1の方法が採用できないのなら、2の方法を使うことになります。

専門家も一人だと税務署が疑いを持つかもしれませんから、複数の専門家に評価をしてもらうのが無難でしょう。

相続税の節税は、路線価・固定資産税評価額と時価に差があることで可能になるのですが、海外の資産の場合、相続税の計算をするにあたって「路線価」「固定資産税評価額」を使うことはありません。

なので、海外の資産を買っただけでは、相続税の節税にはつなげにくいでしょう。

ひとり起業家に欠かせない税金やブログ集客についての情報を、日々綴っていきます。


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