こんにちは、うちだです。今日も変わらず寒いです。確定申告が迫ってくると、「自分は確定申告しないといけないの?」「確定申告したほうが得なの?」など、気になることが増えてきます。今日は、「特定口座」を取り上げて、得をするために見ておきたいポイントを解説します。
Contents
特定口座とは?
特定口座と特定口座年間取引報告書
儲けは自分で計算して、確定申告するのが原則です。
しかし、特定口座という制度を使えば、その口座の損益は証券会社がかわりに計算し、「特定口座年間取引報告書」を口座の持ち主へ発行してくれます。
メリットは、「特定口座の運用の結果発生した儲けや損失は、他の口座の儲けや損失とは分けて計算する」ということです。
分離課税と総合課税
所得税は、儲けに税率をかけて計算しますが、儲けには10種類あります。
その儲けを、「他の儲けとは分けて別々に計算する」方法と、「他の儲けと合算して計算する」方法があります。前者を「分離課税」、後者を「総合課税」といいます。
また、分離課税の中にも、「所得税を天引きされて終わり」の源泉分離課税と、「所得税を天引きされずに、他の儲けとは別々に所得税を計算・申告」する申告分離課税があります。

分離課税の全体像
後ほど、「分離課税」「総合課税」の知識を使いますので、まずはイメージをつかんでください。
関連記事:分離課税とは?
特定口座と源泉徴収
特定口座と源泉徴収あり
特定口座で運用している商品の儲けは、所得税を天引きする「源泉徴収あり」を選択できます。
天引きされることで所得税の課税が終わっているので、確定申告は不要です。
但し仮に、天引きされた所得税の還付を受けたい時や、他の口座で発生した儲けと相殺したい時は、確定申告が必要です。
確定申告をしないと還付は受けられませんし、他の口座で発生した儲けは、原則通り所得税がかかってきます。ここがポイントなので、覚えておいて下さい。
関連記事:源泉徴収とは?
特定口座と源泉徴収なし
特定口座で発生した儲けは、所得税が天引きされない「源泉徴収なし」を選択することもできます。
「源泉徴収なし」を選んだ場合は、確定申告をしましょう。

特定口座と確定申告
特定口座と確定申告
確定申告はどんな時にしたら有利か?
特定口座の確定申告は、以下の2ステップで考える必要があります。
- 確定申告をするのかしないのか?
- 分離課税を選択するのか、総合課税を選択するのか?
上場株式の譲渡損失の繰越(分離課税が有利)
上場株式を運用していて損失が発生した場合、その損失を将来の上場株式の儲けと相殺することができます。
これを「譲渡損失の繰越」といいますが、この制度を利用するには「分離課税」で「確定申告」をする、「申告分離課税」を選択する必要があります。
確定申告をしたら将来の儲けと相殺できる(=将来の所得税がやすくなる)のに、しないことで将来の儲けには「原則通り所得税が課税される」のです。
つまり、上場株式の運用で損失が発生していたら、「申告分離課税」を選択した方が有利なのです。
総合課税はどんな時に有利?
上場株式に運用損失が発生しておらず、将来へ繰り越す損失がないケースは、総合課税を選択した方が有利な場合があります。
納税者の儲け次第では、総合課税を選択した方が税率が低くなることがあるためです。
つまり、分離課税を選択していたら20.315%の所得税がかかるけど、所得税が課税される儲け(=「課税所得」といいます)が695万円以下の人は税率が20.315%を下回るので、「総合課税を選択した方が有利」になるということです。
まとめ
どの制度を選択するかで、今・将来の所得税の金額が変わってくるので、特定口座の制度をしっかり理解するとお得です。

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