医療費控除、税理士がまとめた損をしない手続のすべてをついに公開!


こんにちは、うちだです。確定申告の時期が近くなってくると、「税金がいくら戻ってくるのか?」も気になります。そのために医療費の集計を始められている方もいるでしょう。「一体いくら還付されるのか?」「どこまで医療費の範囲に含めていいのか?」など、疑問が尽きません。今日は、医療費控除をまとめました。

医療費控除と確定申告

医療費控除を受けようと思ったら、所得税の確定申告で以下の手続をします。

  • 医療費控除の計算
  • 計算した医療費控除の金額を確定申告書へ書き込む
  • 医療費控除の明細書を提出

以上の手続の期限は、「翌年の3月15日」です。例えば平成29年度の確定申告の場合は、平成30年の3月15日になります。

医療費控除の必要書類ー領収書の提出が不要になった

平成29年年度の確定申告からは、医療費の領収書の提出が不要になりました。したがって、医療費控除の確定申告では、以下の資料を提出します。

  • 医療費控除の明細書
  • 確定申告書
医療費控除の明細書と確定申告書

医療費控除の明細書と確定申告書

医療費控除の明細書

平成29年度からは、明細書の様式も改正されています。改正点は、「医療費の区分」欄が新たに設けられたことです。

医療費控除の明細書

医療費控除の明細書

医療費控除の期限

確定申告と同じ「翌年3月15日」です。ただし、うっかり忘れた場合は、5年以内に済ませればいいという規定もあります。

例えば平成29年度の医療費控除であれば、平成34年の12月31日までに済ませれば還付してもらえます。

医療費控除の計算

いくら還付されるのかを自動計算するサイトもありますが、入力する情報や計算ロジックを知っておかないと、計算することができません。

確定申告の時に提出する医療費の明細書を元に、計算ロジックをまとめました。

医療費の集計

かかった医療費を以下のように集計し、医療に際してもらった保険金は一番右端の欄に記入しておきます。

医療費控除の明細書の書き方

医療費控除の明細書の書き方

保険金

医療費控除は、財布が痛んだ金額をベースに計算します。仮に保険金をもらったのであれば、そのぶん財布は痛んでいないので、マイナスします。

集計が完了したら、合計欄(赤枠)を欄外の集計欄へ転記します。

なお、健康保険組合などから送られてきた「医療費のお知らせ」は、「1. 医療費通知に関する事項」の欄に記載し、「2. 医療費の明細」の金額と合計して、「医療費の合計」へ金額を記入します。

医療費控除の明細書の合計欄

医療費控除の明細書の合計欄

10万円を超えないといけないって本当?

医療費控除は青天井に使えるわけではなく、①一定の金額を超えないと還付はない、②限度額は200万円、という制限が設けられています。

よく、「医療費の金額が10万円を超えないと、還付はない」と言われますが、厳密には「10万円又は儲け(所得)の5%のどちらか小さい金額を超えないといけない」が正しいです。

医療費控除の下限

医療費控除の下限

医療費控除の明細書が完成

上で紹介した①を超えた金額が「医療費控除の金額」になり、その金額を確定申告書へ転記します。この金額に税率をかけた金額が、「医療費控除で還付される金額」です。

但し、「天引きされた所得税」が限度であることを覚えておいて下さい。例えば「天引きされた所得税」が5,000円で「医療費控除の金額×税率」が10,000円だとすると、5,000円が還付の限度額ということです。

医療費控除の計算と確定申告書への転記

医療費控除の計算と確定申告書への転記

医療費控除と還付金

還付とは?

払った所得税よりも、払わないといけない所得税の方が少なかった場合、先に払った所得税を返してもらえます。これを「還付」といいます。

「所得税を払う」というと、確定申告書を提出して納付するイメージが強いですが、例えば会社から給料をもらうときに天引きされた所得税も「払った所得税」に含まれます。つまり還付は、「天引きされた所得税を一部返してもらう制度」と考えればいいでしょう。

還付金はいくら?

上で計算した「医療費控除の金額」に、所得税の税率をかけた金額です。税率は人によって様々ですので、①自分の儲けを試算してみる、②儲けの税率をチェックする、の順番で調べましょう。税率は、以下の通りです。

195万円以下 5%
195万円超330万円以下 10%
330万円超695万円以下 20%
695万円超900万円以下 23%
900万円超1,800万円以下 33%
1,800万円超4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

儲けは「所得」「課税所得」といい、所得税の確定申告書の水色の欄の一番下です。

所得税の確定申告書

所得税の確定申告書の写真

住民税は?

住民税は、前年の所得税の「所得」を使って計算されています。例えば平成30年に支払う住民税は、平成29年度の所得を使うということです。

そのため医療費控除の世界では、住民税の「天引き」「先に払っている」という発想がないので、「還付」の話も出てきません。

医療費控除の対象と医療費の範囲

医療費の範囲に含めていいものといけないもので、判断に迷うものを以下にまとめました。

医薬品

病気にかかって購入した医薬品の費用は含まれますが、ビタミン剤などの予防医薬品の購入費用は含まれません。

治療費用

医師に支払う診療対価は含まれますが、美容整形費用や健康診断の代金、コンタクトレンズの料金は含まれません。

妊娠・出産

妊娠したと診断された後の検診費用は含まれますが、出産関係のセミナー受講料は含まれません。

歯医者

診療費用は含まれますが、歯科矯正費用は含まれません。

医療費控除と予防接種

インフルエンザの予防接種は、上で説明した「予防」ですから、医療費控除の対象には含まれません。

医療費控除の交通費

病院で治療を受けるときに、電車やバスなどの交通機関を利用することがあります。

かかった交通費は医療費控除の対象に含めてOKです。電車やバスなどの領収書を受け取らない交通機関の場合は、明細書に「医療を受けた人の名前」「医療機関の名前や所在地」「交通費の金額」を書けばよく、領収書にこだわる必要はありません。

ICOCAやPiTaPaの利用明細の提出を求められることもありません。

もちろん、保護者などの通院付き添いに関する費用も含めることができます。

一方で、自宅の車を使って通院したからという事情があっても、ガソリン代は交通費には含められず、タクシー代も「タクシーを使って通院しないといけないほどの状況」でなければ、含めてはいけません。

セルフメディケーション

セルフメディケーション税制とは?

「治療を受けていない健康な人にもメリットを」という狙いで導入された制度で、以下の3つの手順を経てメリットを受けることができます。

  • 健康診断や予防接種を受診する
  • ドラッグストアなどで対象の薬を12,000円以上購入する
  • 確定申告をする

医療費控除との選択と併用はできない

医療費控除の金額とセルフメディケーション税制の併用はできないので、有利な方を選びましょう。

まとめ

医療費控除では、「医療費控除の明細書」と「医療費の範囲」を頭に入れておけば、スムーズに理解ができるようになります。

ひとり起業家に欠かせない税金やブログ集客についての情報を、日々綴っていきます。


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