養子や事実婚・内縁夫婦の子供・非嫡出子の場合の相続税はどうなる?


こんにちは、内田正剛@うちだ会計事務所です。養子や事実婚夫婦・内縁の関係の妻の子供でも、子供に変わりはないのですが、相続税はどうなるのでしょうか? 今回は、「非嫡出子」「養子」の相続税の取り扱いを解説します。

事実婚・内縁関係夫婦の子供と相続税はどうなる?

非嫡出子って?

正式に結婚(=婚姻関係を結ぶ)していない夫婦のことを、一般的に「事実婚」と言います。

事実婚の夫婦に生まれた子供のうち、父親と親子関係を結んだ(「認知」といいます)子供は、法律上の子供「非嫡出子」といいます。

逆にいうと、父親が「認知」していなければ、子供は法律では「父親の子供」として認められないのです。

養子・非嫡出子の相続

非嫡出子の相続ルールは?

以前は、結婚している夫婦の子供(=「嫡出子」といいます)と、非嫡出子で相続のルールに差が設けられていました。

しかし、「生まれてくる環境は選べない」という理由で平成25年の裁判で、「子供なら、相続の取り扱いに差はない」という判決が下りました(以下「判決の結果」とします)。

具体的には「平成25年9月4日」を境に、以下のように取り扱います。

平成25年9月4日以前に提出済の相続税の申告書

「判決の結果」以外に、申告内容を修正する箇所がない場合は、修正できません。

逆に、相続した財産の評価が誤っていたり、相続財産が他にもあったなどの修正ポイントがあれば、「判決の結果」も合わせて反映することができます。

平成25年9月5日以降に提出する相続税の申告書

「判決の結果」を当然の前提として、相続税の申告書を作成します。

養子の相続税はどうなる?

相続税の特典 基礎控除

相続税の基礎控除

相続税は、遺産の金額に応じて課税されるのが原則ですが、遺産にまるまる相続税が課税されるわけではありません。

「基礎控除」と呼ばれる特典が用意されていて、以下の計算式の金額は遺産からマイナスしてもらえるのです。

3,000万円+600万円×法定相続人の人数

例えば、父が亡くなり、遺族は母と自分の2人だけだとします。

この場合は、4,200万円(=3,000+600×2)を遺産の金額からマイナスして、相続税を計算します。

つまり、遺族(法定相続人)の人数が多いほど、マイナスできる特典の金額が増えていきます。

養子の場合は制限がある

実の子供がいる場合は、上の計算式に養子を1人まで加えることができます。

仮に実の子供がいない場合は、上の計算式に含めることができる養子は2人までです。

なお、この制限は相続税の計算に限った話なので、養子をたくさん取ることを否定しているわけではありません。

養子制度を否定しているわけではないのにこのような制限を設けているのは、相続税を圧縮するためだけに、養子を際限なく増やそうという悪知恵を防ぐためです。

税務署に何か指摘される可能性は?

税務調査

養子を取る取らないは個人の自由なので、税務署から「脱税目的の養子では?」という指摘をするのは、現実的には難しいでしょう。

一方で、養子を取ったにもかかわらず、養子には一切遺産を相続させていない・遺産分割協議で一切相続していないようなケースは、不自然に映ります。

つまり、上で解説した相続税の特典である「基礎控除」の金額を増やすために「養子を取ったのでは?」という指摘です。

人間誰しもお金・財産は欲しいですし、遺産分割協議をするということは、財産をどう分けようか考えないといけない、お互いに相談しないといけない状況なわけです。

遺産がいらないのなら相続放棄をしたらいいわけで、そういったことを選択せずに、「遺産ゼロ」は違和感をもって映ります。

そういったツッコミどころがなければ、養子を理由として相続税の税務調査で指摘を受ける可能性は低いと言えるでしょう。

ひとり起業家に欠かせない税金やブログ集客についての情報を、日々綴っていきます。


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする