こんにちは、内田正剛@うちだ会計事務所です。ビジネスを始めたら、色んな入門書に「青色申告を選ぼう!」と書いてあります。でも「青色申告って何が得なのか?」「どうしたらできるのか?」と疑問は尽きませんが、事業を始めた当初は資金的にも余裕がないので、知っておきたい制度です。そこで今回は、青色申告のメリットや手続をまとめました。
Contents
青色申告とは?
青色申告とは何だろう?
きっちり証憑を整理して、複式簿記のルールに従って決算をした申告書の方が、より正しい申告書になります。
複式簿記とは、取引が発生したら「借方」「貸方」の2側面から記録する方法です。
そういった考えから、「きっちり決算をしてくれたら、特典をあげますよ」というスタンスで認められた制度を「青色申告」といいます。
特典は様々ですが、主に以下の2つが挙げられます。
- 儲けから65万円or10万円マイナスしてくれる(=今年の所得税を減らせる)
- 損失を3年間繰り越せる(=今年の損失を将来の儲けと相殺して、将来の所得税を減らせる)
青色申告特別控除とは?
青色申告が承認されると、儲け(=所得)から65万円又は10万円をマイナスしてくれる制度です。税率によって節税額は異なりますが、5%の場合は約3万円の節税になります。
このうち65万円のマイナスを選択するには、以下の要件を満たす必要があります。
- 「事業のレベルで不動産を貸し付けている」又は事業を行なっている
- 複式簿記で帳簿を記録している
- 確定申告の期限(翌年3月15日)までに、貸借対照表・損益計算書を提出している
いわゆる個人事業・法人でビジネスを営んでいるような場合が1つ目の要件に該当するのですが、不動産の貸し付けの場合は、アパートなどの貸し付けであれば10室程度が「事業レベル」か否かのハードルになります。
青色申告決算書
複式簿記で帳簿を作成して作成した、貸借対照表や損益計算書のことをまとめて「青色申告決算書」といいます。

青色申告決算書
青色申告と白色申告の違い
青色申告で求められているような「複式簿記」を使って、帳簿を記録する必要がないのが大きな違いです。
但し、白色申告には、青色申告で認めらえているような特典はありません。
青色申告とソフト
青色申告のためには必ず会計ソフトを使わないといけないわけではありませんが、エクセルや手書きのノートを元に帳簿の記録・貸借対照表や損益計算書を作成するのは、相応の専門知識が必要です。
青色申告の申請をするには?
青色申告承認申請書
青色申告を使うには、「青色申告承認申請書」を期限までに税務署へ届け出る必要があります。
特に受理された連絡はありませんが、消極的に「連絡がなければ承認された」と判断することになります。
青色申告承認申請書の提出期限
青色申告を使いたい年度の3月15日までが原則ですが、1月16日以降の開業であれば、開業後2ヶ月以内が期限です。
青色申告承認申請書の書き方
以下の図を参考に、青色申告承認申請書を作成して下さい。なお、フォーマットは税務署だけでなく、Web上でも「青色申告承認申請書」と検索すれば、PDFをダウンロードすることができます。

青色申告承認申請書の書き方
青色事業専従者(青色専従者)
青色事業専従者とは
一人(夫又は妻、親など)の収入源の元で生活している家族への給料は、本来であれば事業の経費としては認められません。
しかし、青色申告書を提出していて、しかも一定の要件を満たしていれば、経費に入れることができます。
- 一人の収入源の元で生活している(「生計を一にする」といいます)
- 確定申告対象年度末時点で15歳以上
- 税金を払う家族の事業に、1年のうち少なくとも6ヶ月以上「もっぱら」従事している(バイト・パートをしていると「もっぱら従事しているのか?」と否定的にみられます)
青色専従者給与はいくらまでOKか?
いくらまでOKという明確なルールはありませんので、給与の相場からみて明らかにおかしな金額でなければいいでしょう。
青色事業専従者給与に関する届出書
青色申告の承認申請書の場合と同様に、届け出る必要があります。税務署だけでなく、ウェブでも「青色事業専従者給与に関する届出書」と検索すれば、PDFをダウンロードすることができます。
まとめ
事業を始めたらいろんな届出が必要ですが、「青色申告承認申請書の提出期限」はうっかりしないようにしましょう。

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